役職持ち
社長、部長、課長。
上司と呼ばれる人たち。
彼らが持っているのは立場なのか、役割なのか。
ちょっとしたことのようで大きな違い。
私の職場は、悲しいことに「偉そう」な役職持ちが多い。
何をそんなにふんぞり返ることがあるのかと思うほど態度が大きい。言い方も威圧的だ。そして、くだらないことで長々と、講釈を垂れる人の多いこと多いこと。
ある時、10歳上の先輩に
「どうしてうちの会社の役職持ちの人はあんなに偉そうなんですかね」
と聞いた。
先輩の答えはこうだ。
「たしかにね。でも、実際、偉いからね」
偉い。役職持ちは偉い。
果たしてそうだろうか。
立場と役割
私は社長や部長、課長などの役職のある人たちのことをあくまで「役割を持った人」だと思っている。
役職は役割や職務のことだ。
会社をまとめたり、部下を管理したり、統率をとったり、そういった役割を持った人。それに合わせて給料が払われているし、それに合わせて待遇も受けている。
あくまで、それが「仕事」というだけではないか。
だから私は、意見があったり、申し出がある時はきちんと伝える。同じ会社の人間として、役割のある人に報告する。それだけ。
自分よりも長く会社に勤めている、という点においては敬う気持ちを持ってはいるが、それ以上でもそれ以下でもない。(長く働いているくせにこの程度なんか、と思ってしまうような働きぶりの態度だけでかい人も多いのでね……)
しかし、そう考えている人が、少なくとも私の職場にはあまりいない。
役職持ちは自分達のことを「偉い」と思っているし、周りもそういう「立場」の人間だと思っている。
役職持ちのことを「立場のある人」と考えている人は、社内の人間を上下で見ている。だから、偉い、という言葉が出てくるのだ。
私のイメージは役割分担。
掃除の分担表みたいに分けているイメージ。
あなたはこれを、私はこれを、という考え。その中で責任などの度合いで給料のレベルが変わる。
トイレ掃除の方が嫌だと感じる人が多いので給料を高く、みたいな。
根本が違うのだから居心地の悪さはすごい。
合っていないのは私の方なのだろう。
「偉い」ってなんだ
そもそも、同じ会社に勤めていて、同じ方向をみるべきはずの人間たちが上下で区切られているのはおかしいような気がしてしまう。
会社において「偉い」人なんて存在しないのではないか。
そんなのだから、内向きな、保守派な、つまらない人間ばかりの会社なんだろう、と文句を言いたくなる。
……と、かなり愚痴っぽくなってしまったが、この違いを誰かに伝えたくてここに記してみた。
私は社会に向いていない、と思いつつも、仕事自体はそこそこ楽しいからなかなかやめられないのが難しいところ。
いつか自分が役職持ちになったときには、「役割」としてしっかりこなす人間でありたいと思う。