自分の欲しいものは自分で買いたい。
本当に欲しいものほど誰かからもらうのではなく、絶対に自分のお金で手に入れたい。
ものを手に入れる時には、自分の手で、自分のお金で買うことに価値があるタイミングもあると思う。
特にそれを買うために仕事を頑張っていた、などという経緯がある時はなおさら。
以前観た洋画で同じような考えの女性が出てきて嬉しく思ったことがある。
ある女性がどうしても欲しい指輪があり、オークションに参加する。彼女はどうしても欲しいのでかなりの金額まで頑張るのだが、他の人に負けてしまう。
その後、悔しい気持ちで帰ると、その女性の恋人がオークションの指輪をなぜか持っており、その女性にプレゼントするのだ。その恋人は彼女がその指輪を欲しいのを知っていて、わざわざ人を雇って、その指輪を必ず落札するように頼んでいたのである。
その出来事を友人に話す彼女は「彼がそこまでしてプレゼントしてくれて嬉しい」ではなく、「私が手に入れる喜びを奪わないでほしい」とガッカリしていたのだ。価値観が違うことを悲しく思いながら。
「プレゼントなんだから感謝しなさいよ」
という考えもあるだろう。確かにその通りではある。どうせ欲しいと思っていたものなのだから、「手に入る」という意味では一緒でしょうよ、と。
しかし、「自分で手に入れる」というのは人からもらうプレゼントとは全く違う。
自分が稼いだ、自分のお金で、自分のために、自分へのプレゼントを買う。
自分に愛を伝える行為でもあるし、自分を讃える行為でもある。
そこには喜びも楽しさも興奮もある。
そんな素敵な瞬間が消えてしまうのだ。
もちろん、映画の中の彼女も、恋人が良かれと思ってプレゼントしてくれたことはわかっている。そして、手に入ったことはもちろん嬉しい。でも、それは最大限の喜びではない。もっと高揚感があった上でそこにあるはずだったものなのだ。
来月誕生日なこともあり、欲しいものを聞いてもらう機会があって少し考えたので書いてみた。
私が本当に欲しいものは私が買ってしまうからおねだりするような欲しいものはないのよな、と。
我ながら面倒なやつだな。