一緒に住み始めて、数週間。
戸籍上家族になったとは言え、他人と暮らすのはなかなか難しい。
特に、お互い一人暮らしが長かったから、自分のルールが多い。
喧嘩こそしないものの、すり合わせタイムが前よりも増えた気がしている。
でね、そんな中で気がついたことなんだけど、「彼、こういうことすっごく苦手だよな〜」って思っていたことが、実は、私が結構得意な方、な可能性を秘めているってこと。
引越しの準備で、2ヶ月くらい前からすることはわかっていたのに、当日も箱詰めが終わっていない彼。
その週が忙しくて、予定通りに進まなかったというのが彼の言い分。
確かにすごく忙しそうだったし、わからんでもない。
「その週」だけを見たら、ね。
でもさ、私からすれば、数ヶ月前からわかってたよね?!となるわけ。
もちろん、付き合いが長いから、「やらない、じゃなくて、できない」ってことはわかっているから、強くは責めないけど(小言くらいはした)、やっぱりもやもやする。
私は、3ヶ月くらい前から段ボールに詰め始め、一週間前には布団を捨てて寝袋で過ごし、少しずつ家電を売り払って、食事も徐々にテイクアウトに移行。
冷蔵庫の中身だって、計画的に使い切った。
同じ期間があったのだから、できたでしょう……と少々呆れていたのだけど、彼からある返答が。
「それ、あなたがかなり段取りの良い方なだけだよ?」
なるほど。
せっかちだとは他の人にも言われていたけど、すごく優しい言い方をしてくれた。
確かに、私が得意なのもあるかもしれない。
彼がとっても苦手、なのではなく、ちょっぴり苦手、で、私がすごく得意。
二人の差は縮まっていないけれど、気持ちの余裕は少し変わる。
こちらが得意な方なのであれば、今後は私がカバーしていけばいいだけの話。
彼に無理強いしなくていいし、お互いスムーズに進められる。
彼にはちょっぴりのんびりなところがあるけど、そのおかげで、気持ちが安定している。
その安定に救われることもたくさんあるわけで。
もともと、そんなに全然タイプの違う二人だ。
考え方一つでもやもやも減ることがわかったし、ちょっとずつ擦り合わせて、生活を作りあげていけたらと思う。
焦らず、ね。