もうすぐ入籍。
ワクワク楽しい時期のはずが、ちょっぴり憂鬱気分になっている。
私たちは、結婚を自分たちだけで決められるものと思っていた。
一般的には、両方の両親に挨拶に行って「許可」をもらい、両家顔合わせをして認めてもらい、女性側が男性姓を名乗るようになる。
そんなことはわかっている。
別に、世間の常識を知らないわけではない。
でも。
方向性の違いで離婚した後も三女のために同居している私の両親と、彼を産む前に喧嘩別れして結婚せずに育てた彼の両親。
どう考えても、「一般的」に当てはめるには難しい彼らの子どもだから、私たちはその常識にはとらわれなくてもいいと思っていた。
それなのに。
こちらの苗字になってもらうことを聞いて焦る私の父、両家顔合わせをしなければと焦る彼の母、報告が来ていないと拗ねる彼の父、これからはたくさん会えるねと距離を詰める私の母。
これは、私と彼の人生のことなのに、みんな自分たちのことを棚に上げて、好き勝手言ってくる。
成人した大人が結婚を決めるのに、口出しされる必要があるのだろうか。
誰かの許可を取るものだと思っていないから、報告という形で伝えているのに。
もう少し、気持ちよく送り出してはくれないものか。
「親の心子知らず」とはいうものだけど、知ってもらうために見せた人生がそれなの?
大事に育ててもらったことは理解しているけれど、私の人生を決めるのは私。
家族の見本をよく知らない中で、彼と幸せになろうと思ったのに、水を差すのだけはやめてほしいのだけど。
「家同士の結婚」だなんて、知ったこっちゃない。
出生家族って厄介だ。
生まれただけ、ただ血が繋がっているだけ、なのに何か特別なものがあるかのように扱われる。
切ってしまいたいと何度思ったことか。
それでも、切りきれない自分にもうんざりする。
こう言うのを、「絆されている」っていうんだろうね。
彼も私も、別に毒親に育てられたわけじゃない。
でも、とことん相性が悪いのだ。親に対して、一生分かり合えないものを感じている。
家族って難しい。