ひとつ前の記事で好きな漫画の話をしたら語りたくて仕方なくなってしまった。
深見じゅんさんの「ぽっかぽか」
父慶彦、母麻美、そして幼稚園生の娘あすかの田所家の日常を描いたお話。
父はサラリーマン、母は専業主婦。
1990年代に発売されたことを考えると、なんの不思議もない普通の家族だ。
この漫画にあらすじは存在しない。
だって、彼らの日常が描かれているだけだから。
1話1話は決して長くはない。
それなのに、忘れることのできない幸せな気持ちを彼らは与えてくれるのだ。
田所家の生活は裕福でも華やかでもないけれど、いつも笑顔と思いやりで溢れている。
しあわせというものはなんたるかを教えてくれる漫画だ。
麻美が専業主婦だったり、ご近所付き合いが豊富だったり、今とは少し違うこともあるかもしれないけれど、そんなことも気にならないほどしあわせになる。
この漫画の中でよく、麻美と慶彦が自分達のしあわせを噛み締めるシーンがある。
日常の何気ないしあわせを彼らは決して見失わない。
そうしていうのだ。
「みんなが私たちみたいにしあわせだったらいいね」
と。
そこには嫌味はない。心のそこからの言葉。
いつか自分が家族を持つようになったら、彼らみたいになりたいといつも思う。
私は麻美みたいにおおらかでもないし、同じようにはいかないかもしれないけど、彼女たちのように「自分達のしあわせ」をしっかり見つけられる家族を作っていきたいと思うのだ。
何度読んでも、次のセリフがわかっていても、私はこの漫画で何度でも泣く。
人のあったかさに何度でも泣くのだ。
なんだか心が疲れた時とか、優しさがわからなくなった時にぜひ読んでほしい漫画です。
機会があったらぜひ。
追記:この漫画に憧れた私の両親は私たち娘に「ちち」「はは」と呼ばせ、今でも私たちは当たり前のようにちち、ははと呼んでます。
今じゃ、SPY×FAMILYで話題になっているけど、ちちはは呼びってなんかかわいいよね。