私は、人よりもちょっと手汗が出る。
多汗症というほどではないと思う。
垂れてくるほどじゃないから。
でも、ひどい時は手がキラキラてかてかするし、ベトベトになるからハンカチは手汗を拭くために使っている。
時期によっては、手汗で手がむくんでいることもある。
昔から、藁半紙のプリントはしわしわになって破れるからあまり好きではなかった。
プリントが湿って書きにくくなるのが嫌だった。
でも、みんなそうなのだと思っていた。比べることなんてないからね。
そんな私が手汗を気にし始めたのは、中学2年生の頃。
当時好きだった人に、「お前のシャーペンなんかぬるぬるしてるな」と言われたことで、人よりも手汗がひどいことに気がついた。
デリカシーのなさよ……と思うけど、中学生なんてそんなもん。
コンプレックス:手汗
私の中のコンプレックス枠に突如現れた手汗。
そこからは気になって仕方ない日々。
毎日定期的に水道でシャーペンを洗い、手で触れるものはなるべく人には貸さない。
プリントがふやけるのも他の人とは違うと知り、ハンカチを敷いて勉強するようになった。
前から不便だとは思っていたけど、そこに確実に感情が乗るようになった。
一度、皮膚科でも相談したこともある。
だけど、当時その皮膚科では3万円くらいかかる&治るとは限らないと言われ、中学生のお小遣いでどうにかできる金額じゃなくて諦めた。
そして、長い月日が経った今。
手汗の出る度合いは変わらない。
ただ、付き合いは上手くなった。
体中から汗が噴き出るような暑い時期は、手に集中しなくて、それ以外の時期が1番手に集中するということを知った。
だから、その時期だけは集中的に凌ぐ。
……と言っても、ハンカチを握りしめているだけだけど。
仕事中もマウスがベトベトになるので、定期的に拭きながら進めている。
大人になった今、そんな姿を笑う人はもちろんいなくて、なんなら仲間が見つかる。
「私も手汗ひどくて!」
「定期的に洗いに行ってるよ」
今はコンプレックスじゃなくて、ただ体質として受け入れている。
それに、意識すると手汗を出せるので、ビニール袋を取り出す時とかには役に立つ。
意識的に止められたらもっといいのだけど……。
そんなわけで、長々と私の元コンプレックスの話。学生時代には深刻だったけど、こういう大人になることによる変化は悪くないね。