昔々の他愛のないお話。
街がバレンタイン一色で、久しぶりに可愛い恋していた頃を思い出したから、ちょっと書きたい。
小学校の時のはなし。
私には6年間片想いしている相手(仮にA君とする)がいた。
一年生の好きが何かわかっていないような中で好きになり、そのまま変わらず6年生まで。
「自分の意見ははっきり言う!」と育てられた私は、恋愛に対しても例外はなく、毎年バレンタインにはA君に手作りのお菓子を持っていき、告白をしていた。
とはいえ、ホワイトデーはもらえるものの、お返事をもらえたことはなく、一方通行な片想い。
そして、低学年の「恋心を隠す」ということを知らない時期から6年間好きだったものだから、私がA君を好きなことは学年の全員が知っていた。
突然のお手紙
そんな中、6年生の時のこと。
A君からの手紙が届いた。
下駄箱だったか、道具箱だったか、そんな細かいことは全く覚えていなかったけど、A君から手紙をもらったことなんか初めてで、びっくりと同時に嬉しくなった私。
そりゃね、それまで一度も気持ちを伝えてもらったことがないんだから、嬉しくもなりますよ。
その勢いのまま、当時仲が良かったMちゃんに報告。
(Mちゃんは今でも大好きな友達)
そこまではワクワクしていたのに。
悪意か何か
「これ、Bちゃんの字だよ」
Mちゃんから出てきたのは、衝撃の言葉。
今思うと、好きな人の字すら把握していなかったのかと思うけど、多少真似て書いてあったのと、嬉しくて冷静の「れ」の字もなかったんだろうな。
疑う気持ちすら持っていなかった。
初めて返事が来たと思ったのに、それはまさかの偽りのお手紙。
当時、Bちゃんとは、なんというか、普通の同級生だった。
2クラスしかない学年の、隣のクラスの子。
小学生なんて、学年全員友達、みたいなところあるから、普通に友達として認識していた。特別仲が良いこともなければ、悪いこともない関係。
嫌われていたのか、ちょっとからかいたくなっただけなのか、真相はわからない。
私より怒ってくれたから
この時、私を偽りから救ってくれたMちゃんは、Bちゃんといわゆる幼馴染で、当時からとっても仲が良かった。
そんな状態で、小学生なら、幼馴染の味方をしてもおかしくないくらいなのに、Mちゃんは、私が驚くくらいの勢いでBちゃんを怒ってくれた。
自分の代わりに、本気で、怒ってくれたMちゃんがいたから、私の気持ちが落ち着いたのを覚えている。
「Mちゃんが怒ってくれていなかったら泣いてるところだった」
当時の日記にはそう書いてあった。
自分のために真剣になってくれる人がいるって、本当にありがたいよね。
当時、A君からも、「俺じゃないから!」と直接言われてしまったので、彼女の単独行動なんだろうけど、どういう意図があったんだろう。
私が気が付かないままでいたら、どうするつもりだったんだろう。
幼馴染であるMちゃんから怒られたBちゃんが、その後、「ごめん」と謝ってきたことは覚えている。
大好きな幼馴染から怒られたから謝っているんだろうなと感じつつも、その時は、かわいそうになるくらい怒られていたので、私に残された選択肢は「いいよ」と言うことのみ。
その出来事で、私はより一層Mちゃんのことが大好きになったし、世の中には、人の真剣な気持ちを弄ぶ人がいることを知った。
人の「真剣」を笑うことなかれ
地元のメンバーの1人だから、今でもBちゃんに会う機会はある。
(いかんせん、大好きなMちゃんの幼馴染なのもありますので……)
今でもあの出来事を引きずるようなことはないけど、心の奥底で「人の気持ちを弄ぶ人」というイメージは覆せていない。
「どういうつもりだったの」
その答えは、当時のその子にしかわからない。
今聞いたって、今の気持ちでしかなくて。
ただ単純に私のことが嫌いで傷つけたかっただけかもね。
人の気持ちの答え合わせはその時しかできない。
大人になってからじゃ遅い。
だから、告白も反論も、若いうちはある程度勢いでしておいた方が良いと私は思う。
(大人はダメ。冷静に考えてから動いた方がいい)
わだかまりになっちゃうからね。
告白も、するなら今だよ。
同窓会で再会♡なんて憧れるようなもんじゃない。
純粋無垢な気持ちがあるうちにするべき。
みんなのバレンタインが、素敵なものでありますように。
(そして、告白されたなら、ちゃんとお返事しましょうね)