母に昨年誕生日プレゼントで貰ったネックレスを失くした。
慣れない土地で頑張っているから、と鬱々と過ごしている私を心配して買ってくれたもの。
一人暮らしはもう6年目だったけど、それでも母にとっては遠くで頑張る娘、なのだろうし、その気持ちが嬉しくて大切にしていた。
失くした、と言ったけど、正確には「捨てられた」
次女が間違えて捨ててしまったのだ。
壊れたと言っていた三女のものと勘違いして。
ピアスと一緒に置いていたのだけど、よく見えていなかった次女は思い込みで捨ててしまったのだ。
ほんのちょっとしたハプニング。
わざとじゃないし、責めても仕方ない。
次女が落ち込みすぎないように、平然を装ったけど、内心はかなりショックを受けていた。
母の気持ちを蔑ろにしてしまった気がして。
基本的に、ものを大事にするタイプなのだけど、大事なものが増えるってこういう危険性もあるなと思う。
ものはいつか壊れるし、事故や不注意で壊してしまうこともあるかもしれない。
で、そんな時、大事にしていればしているほど悲しいのだ。
私は、残念ながら負の感情のコントロールが下手くそだ。
だから、強く思う。
「大切なものなんていらない」
これは、私が「子どもが欲しい」と手放しで思えない理由の一つだ。
今でさえも、妹たちが元気に過ごしているか、恋人が安全に暮らしているか、大事な友人が辛い思いをしていないか、と気が気じゃない日があるくらいなのに、これ以上大事なものが増えたら耐えられる気がしない。
「自分の命より大事」という人がいるほどの「我が子」の存在、自分の生きる糧になる一方で、自分の最大の弱点になりかねない。
ネックレスの話からかなり飛躍してしまったけど、大切なものが増えると、失う恐怖や悲しみも増えるよねって話。
大切なものが増えるって怖い。