初恋
可愛い響きだ。
甘酸っぱい、なんて表現されることも多いが、私にとっては可愛い思い出。
小学校で初めての初恋。
6年間同じ人にバレンタインをあげ続け、毎年告白しているようなものだった。
子どもらしい子どもが集まった学年だったこともあり、「付き合う」なんて概念は高学年になってもなかった。「好き」を伝えたい、だけの告白だった。
隠すこともしない低学年からあげていれば、どちらの親もよく知っている私の片思い。大人になった今考えると、自分でいうのもなんだが、相当可愛らしいことをやっている子どもだったと思う。
結局当時は一度も相手の気持ちを聞くことなく、卒業と同時に諦めて、次に進んだけども、自分の気持ちを伝えるという経験をしっかりできたのは本当によかった。
大きくなればなるほど、恋心を伝えるということは難しくなっていく。さまざまな感情が邪魔し始めるのだ。
「初恋は叶わないものだ」とかしょうもないことを言う大人にならないためにも、今初恋を経験している人は、後悔なく挑んで欲しいと思う。
叶う、叶わない、ではないのだ。
自分の中の、今まで知らなかった感情と向き合う時間。
大切に、自信を持って楽しんで欲しい。
成人してから初恋の人に「あの頃は子どもだったから(好きだと言えなかった)」なんて言われたけど、今更な話だ。そうね、幼かったわね、なんて笑って返せるのは、あの頃の私がしっかりと好きを出しきっているからだろう。
美化などされない、可愛らしい過去の思い出だ。
昔の初恋に絆されない、素敵な人生を歩めている自分でありたい。