数字に興味がない。
数学が好きじゃない、とか、数字の形が嫌いだ、とかそういうことではない。
順位や売上成績、というものにすごぶる興味がないのだ。
学生の頃はそれでもよかった。
勉強自体は好きだったし、満点を目指すのは人と比べるのではなく自分との戦いだったから、それなりに頑張れた。
部活動も「優勝」に興味がなくても、そのもの自体が好きだったから周りと一緒にがんばれていた。
しかし、社会人になると違う。
自分の成績として、給料につながるものとして、数字をとっていかなくてはいけないのだ。
これが本当に辛い。
仕事自体は好きなのだ。関わっている人に感謝されたり、頼ってもらえた時にすごくやりがいを感じるし、やっててよかったと感じるのだ。
これを本当は数字(売上)につなげて考えなくてはいけないのだろうが、全く興味が出ない。仕事だから、そりゃ、ちゃんとやるが、気持ちが追いつかないのだ。
昔からこれは変わらない。
吹奏楽をやっていた時も、上手に演奏できるようになりたいという気持ちはあったが、「金賞」を絶対に獲ってやる!という気持ちはなかった。人よりもやる気がなかった、なんてことはなく、誰よりも早く練習に行き、昼休憩にも練習するほど熱心だった。しかし、人に評価される結果はどうでもよかった。
大学で人生初の運動部に入った時も同じだ。サークルではなく、部活だったし、男子部は「タイムが出た時が一番楽しい」というような競技だったのに、私はそのスポーツそのものが好き、というだけの気持ちで続けていた。
結果を出したことがないからこんなことを考えてしまうのかもしれない。
しっかり結果を残せるような人なら、その幸福感を知っているのだろう。
でも、そのもの自体で魅力を見出してしまっているせいか、数字での結果を求めたくすらならないのだ。
オチはない。
社会人として致命的だなと思う毎日である。